天は一物たりとも与えず。それはあなたが勝ち取ったのだ

何かが出来る人って本当に素敵だと思う。歌の上手い人、話の上手い人、文章の上手い人、絵の上手い人。僕の知人にはとにかく他人をけちょんけちょんに貶すのが上手い奴がいるけれど、それさえとても良いことだと思う。良いことだというか、好き。好きというか、格好いい。格好いいというか、羨ましい。

 

僕には何も無い。生まれてこの方人より出来ることなんて一つもなかった。かといってこれ以上無く不器用という訳でもなく、なんやかんやで他人のモノマネぐらいならなんとかできてしまう。不器用という特性さえない僕は落伍者としてのアイデンティティすら獲得しえず、本当に空っぽな人間よりよほど空っぽと言える。それが時々怖くなる。その時々が近頃増えてきている。

 

でも、なんやかんやでそんなこと全く気にならない自分が居て、それがまた嫌だ。自分の嫌だと思っている部分を嫌だと思わないなんて、そんなの不健全な気がする。

 

なんてネガティブなことを言ってみたけれど、基本的には人生は、というか人間は素晴らしいという話のつもりです。こいつどうしようもねぇなとか見ていて思ってしまう人間でも、暫く付き合ってみると何か一つぐらいは見るべきところが有ることに気付く。それは技術だったり性癖だったり志だったり、時には親指が変な方向に曲がるとかその程度のことだったりもするのだけれど、でも、やっぱりそれを知れた瞬間は本当に嬉しいし、楽しい。

 

僕も誰かにそんな気持ちを届けられるようになりたい、と思う。

 

明日も頑張ろう。